2011-06:安克昌『心の傷を癒すということ』(角川ソフィア文庫)

心の傷を癒すということ (角川ソフィア文庫)

心の傷を癒すということ (角川ソフィア文庫)

 本屋の棚で本書のハードカバー版(【増補改訂版】心の傷を癒すということ――大災害精神医療の臨床報告)を見かけたときに懐かしく思い出した、と同時になぜ今この本が棚の一番目立つ場所に平置きに?と不思議に思った。この本は神戸大学医学部附属病院精神科医師による16年前の阪神淡路大震災後の記録だったはず。
 改訂増補版によると、東日本大震災を受け再版が決まったということ。この角川ソフィア文庫のほうも同様だった。

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 ところどころ当時のことや光景を思い出して読むのが辛くなる箇所もあったけれど、著者のあたたかく真摯な人柄を思わせる文章はとても読みやすいものだった。