タイムカプセル

11年半近く前の自分の日記を見ることになるとは。

 

2人のこどもの世話と仕事とにばたばた追われ、キャパシティのなさを痛感する日々。もやもやとしたものがこぼれそうにはなるけれど以前ほど沈み込むこともない。

本を読む時間はなくなったけれど、「天冥の標」「十二国記」は楽しく読んだ。

週に1度は馬に乗るようになった。

2011-06:安克昌『心の傷を癒すということ』(角川ソフィア文庫)

心の傷を癒すということ (角川ソフィア文庫)

心の傷を癒すということ (角川ソフィア文庫)

 本屋の棚で本書のハードカバー版(【増補改訂版】心の傷を癒すということ――大災害精神医療の臨床報告)を見かけたときに懐かしく思い出した、と同時になぜ今この本が棚の一番目立つ場所に平置きに?と不思議に思った。この本は神戸大学医学部附属病院精神科医師による16年前の阪神淡路大震災後の記録だったはず。
 改訂増補版によると、東日本大震災を受け再版が決まったということ。この角川ソフィア文庫のほうも同様だった。

    • -

 ところどころ当時のことや光景を思い出して読むのが辛くなる箇所もあったけれど、著者のあたたかく真摯な人柄を思わせる文章はとても読みやすいものだった。

2011-05:石井好子『東京の空の下オムレツのにおいは流れる』(河出文庫)

東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)

東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)

 読むとおなかがすきます。

 家人が出かけているのでひとり。こんな時間にコンビニへ。夜の静けさを久しぶりに感じた気がする。しんと涼しい空気の中を歩くと、自分のもわもわとしたものや膿んだような熱を持ったものが外へ出て行くような気になる。

2011-04:石井好子『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(河出文庫)

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)

 食べることが好きな筆者のエッセイ。元は1963年に出版されたもの。けれどあまり古臭さは感じない。
 パリやアメリカ、スペインにドイツで食べたごはんのエッセイ。レシピも文章中で触れられていて写真はないけれどちょっとしたレシピとしても使える。しかも、手が込んでとても家では作れない、というようなものはあまり載っていない。なにより次から次へとおいしいものが出てくるので読んでいても食べたくなるしおなかがすくしで困った。オムレツ! ガーリックトースト! パエリア!(他多数)
 続編の『東京の空の下オムレツのにおいは流れる』も買ってきた。

2011-03:外山滋比古『思考の整理学』(ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

思考の整理学 (ちくま文庫)

 本を読むとき、すいすいーっと視線を流して文章が読み取れるものと、ゆっくり何度も同じ箇所を行ったりきたりして時間がかかるものがある。この本は後者。どういうことなのか考えながら読むから時間がかかる。
 わたしは子供の頃から記憶力が良いほうだったが、発想力は乏しく思考に柔軟性はないほうだと思う。ある時ふと、覚えることに脳を使いすぎて発想するのに使うスペースがないんじゃないか、というようなことを思った。そんなことを思ったのを忘れた頃に、この本の中で、似たようなことを述べられているのに出会って驚いた。
 しばらく時間を置いて忘れた頃にまたゆっくり読み返そうと思う。