瀬名秀明「BRAIN VALLEY」

BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫)

BRAIN VALLEY〈上〉 (角川文庫)

パラサイト・イヴ」の瀬名氏の2作目。97年の作品なのでもう8年も前に出たことになる。何を今更とは自分でも思うんだけれど本棚の積読本の中にあったので読んでみた。
上巻の専門用語頻出のときには解説も少なく一度読んだ箇所を読み直してよくわからないなあと思いながら読み進めたのだけれど、下巻に進むと一転して一文が短くなって勢いが出る。ただ消化されない設定がいくつかあってそれはどうなのと。あまりSFというジャンルのものをしっかり読まないせいもあるのだろうけれどSFで神というものを考えるのは個人的にはいまひとつ。初めて「パラサイト・イヴ」を読んだときには素直に怖かったのだけれど再読したときには都合のいいように話が進むような気がしていた。それと似たような感じを今回も受けた。

この本を読んでいる最中に何度か、科学で全てを知ろうとするのは違うような気がした。ブラックボックスが存在してもいいんじゃないの?と思う。仮に知ることはできても解決できない、できたとしてもそこから問題が生ずるということもあるのでは。人間がそこまで踏み込んでいいのかと思う。それこそ神の領域ではないのかと。細かいことを書き出せばきりがないのでそれはまた機会があれば。

そういえば瀬名氏は今、某週刊漫画誌で連載中のロボット漫画(って言っていいの、あれ?)の監修しているんだっけ。