フランツ・カフカ「変身」

変身 (新潮文庫)

変身 (新潮文庫)

子供の頃から正統派の読書をしていないのでこの歳になって今更文学史で習うような本を読んでみたりする。
ある朝目が覚めたら自分が虫になっていることを知った、という冒頭はあまりにも有名だ。主人公のグレーゴル・ザムザという名前の響きだけで見るのもいやな虫をうっすらと想像してしまう。(これはわたしがドイツ語読み?の音に慣れないから)けれどもその虫がどういう虫なのかまでは具体的には説明されない。
これはすべて夢でした、というわけにはならない妙にいやな現実味がある。虫になってしまうということ自体はありえない話だろうけれどもその後が。淡々とした文体がかえって気味悪い。
虫になってしまったらそれまで持っていた人間らしさというものも失われるのだろうか、とふと思った。
いやな夢を見るかもしれない。

それにしても虫を変換したら「蟲」と最初に出るわたしのPCのIMEは何。