多田富雄・南伸坊「免疫学個人授業」

免疫学個人授業 (新潮文庫)

免疫学個人授業 (新潮文庫)

 2日前に読み終わっていたのに今頃メモ。アレルギーってどうして起こるんだっけ、そっか免疫がどうのこうのするんだっけな、じゃあ読んでみよう、という流れで読むことにした本。が、なかなか本屋で見つからず、その間に今春買っていた「Tarzan」No.436のアレルギー特集とWebでなんとなくわかったような気分になっていたのだった。この前、本屋で平積みになっているのに出くわし購入。ちまちまと読んでいた。
 南さんが多田先生の授業を受け、そのノートを連載する形。最初から最後までみっしり免疫学の授業なのかと思っていたけれども、多田先生の若い頃のお話になったり脱線することもある。授業を受ける南さんの視点が面白い。新聞で南さんのエッセイを読んだときにも面白い考え方をするひとだと思った。バイキンの気持ちなんて考えたことない。
 独学で勉強することの難しさは、いかに専門書の文章を自分の言葉として消化できるかということだと思う。授業を受ける楽しさって専門家の方の話をたとえ話も含めて聞けることにもあると思うし、南さんの考えることも含めて読み易くて面白い本だった。もう少し詳しい話も読みたいなあと物足りなくも思う。
 1995年の連載が本になっているから、懐かしい話題もありますよ。多分わたしのひとまわり下のひとたちにはわからないのだろうと思うと自分の歳を……。