2006-1:三並夏「平成マシンガンズ」

平成マシンガンズ

平成マシンガンズ

 タイトルが気になったので読む。文章はすらすら読める。プライドの高い中学1年生が家庭内のごたごたや学校での友だち付き合いのなかで居場所を探す話。彼女なりの気遣いもあるのだろうけれどずれていると思うのはわたしが大人になってしまったからかね。夢の中に死神がおりてきてマシンガンを与えてくれる、というその部分は面白いと思えるのに、ストーリー自体はなんだか最近よく見かける中高生が主人公の小説から離れない。この作者さんが数年後何を書くかは楽しみな気もするけれどこのすらすら読みやすい文体自体がどこかで見たような気もする……。
 まあしかし、プライドが高過ぎるということはある意味不幸なことだ。