2006-22:パウロ・コエーリョ「ベロニカは死ぬことにした」

ベロニカは死ぬことにした (角川文庫)

ベロニカは死ぬことにした (角川文庫)

 映画化の話も聞いていたので頭の片隅にあったらしい。
 若く美しく全てを手にしているように傍からは見えるベロニカは、ある朝死ぬことに決め薬を飲んで自殺を図った。そして運び込まれた精神病院で残された命は数日だと告げられる。
 元の文章そのものが読みにくいのだろうけれど、翻訳の段階でなんとかならなかったのだろうか。読みづらい。再生と回復をテーマにした話。それほど感情移入はできないのは何故だろう。登場人物の背景も詳しく描かれているのに、何故かすんなりとことが進んでしまう深みの無いお話だと思ってしまう。それともこういうお話は今読む時期ではないということだろうか。