2006-32:ロダーリ「猫とともに去りぬ」

猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)

猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)

 タイトルに負けた。そして帯にも負けた。「あまりの幻想に、笑い転げる。イタリアン極上ファンタジー短編」なんて帯を見たら手に取ってしまう。
 猫と一緒に暮らすのだ、と言って人間を辞めてしまうおじいさん。急ぎすぎて時間を遡ってしまう郵便配達人。そういう少し不思議な登場人物たちのお話は、笑い転げはしないけれど読む顔がほころびる。短編だけれどゆっくり大事に読みたくてなかなか読み終わらなかった。