2008-04:G・ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』(新潮社)

作者七十七歳にして川端の『眠れる美女』に想を得た今世紀の小説第一作。 満九十歳を迎える記念すべき一夜を、処女と淫らに過ごしたい! これまでの幾年月を、表向きは平凡な独り者で通してきたその男、実は往年、夜の巷の猛者として鳴らした、もう一つの顔を持っていた。かくて昔なじみの娼家の女主人が取り持った、十四歳の少女との成り行きは……。悲しくも心温まる、波乱の恋の物語。

 90歳の年老いた男が14歳の少女に恋をする、ある意味おとぎ話だ。
 ガルシア=マルケスというひとの文章の特徴なのか、ぼんやりと流し読みをしていると、今登場人物はどの場所にいて何をしているのかつかめなくなってしまう。そういう文章のせいで何が現実で何が語り手の夢想なのかが入り乱れてよくわからなくなってしまってなんとも感想を書きづらい。