派遣会社の営業担当氏に、6月末で契約を終了させてもらいたいと連絡した。予想してはいたけれど、硬い声で今後の動きについての話をされた。明日以降の派遣先ではどうなることやら。なんとなく想像していると気疲れする。辞めるのにどれだけの労力が必要になるのだろう。
 帰り道、今後のことを考えているうちに、ふと、世界中を敵に回したような気分になった。わたしのしていることは身勝手で、責められるべきことなのだろうかと思った。
 けれども。契約期間を満了しない、というのは確かにわたしが悪い。大人の約束事を守れていない。だけど、わたしにも都合はある。派遣先に都合があるようにわたしにもある。優先させるべきなのは自分のこれからのこと。
 気持ち良く辞めることは望めないかもしれないけれど、最後まで手は抜かずに仕事はするつもり。せめてそれくらいの誠意はもっていようと思う。