2009-8:貴志祐介『新世界より』(講談社)

新世界より (上)

新世界より (上)

ここは汚れなき理想郷のはずだった。
1000年後の日本。伝説。消える子供たち。
著者頂点をきわめる、3年半ぶり書き下ろし長編小説!


子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
いつわりの共同体が隠しているものとは――。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる。

 とても読み応えのある物語だった。
 世界の秩序を守るために真実を知らされず記憶すら管理される理想郷より、争いに満ちていても自分の意思で物事を決められる今の世界のほうがよい。