梨木香歩「りかさん」

りかさん (新潮文庫)

りかさん (新潮文庫)

リカちゃん人形が欲しかったのに、黒髪の市松人形をもらってしまったらわたしならきっとそのまましまいこんでしまうだろう。りかさんが欲しかったとは思わないけれども、自分の子供ができたらお人形を買ってあげようと思った。昔からあるものっていいよね、と。
小さな子供に読ませるには少し難しいかもしれないし、かといって思春期の子供が読むかというとそれも難しい。児童向けのお話ということになっていても実は大人が読んでも感じるところは多くある。正直に言うとひねた大人であるわたしにとっては、純粋すぎてむずがゆくなるような話でもある。
あとは、本は出版された順に読むべし、ということを解説を読んで思ったのだった。「からくりからくさ」は今度読んでみよう。