2005-11-07 小川洋子「やさしい訴え」 books やさしい訴え (文春文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/10/08メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (59件) を見る 元ピアニストでチェンバロ職人とその助手とカリグラファーの交流。と書くとなんだかつまらない。小川さんの世界は静かでやや歪んでいて、印象として薄暗く湿った感じがする。それでもその薄暗さの中にあるものは乱れてはいない、という感じか? 泣いて叫ぶ主人公がいるのにも関わらず。以前はその少しひんやりとした薄暗さが心地よかったけれども、少し飽きた。 彼女はこういうものしか書かないのかしらと思っていたけれども、「博士の愛した数式」はそうではないからこの先どうなのか楽しみではある。