2007-16:ポール・オースター「偶然の音楽」

偶然の音楽 (新潮文庫)

偶然の音楽 (新潮文庫)

 いつかは読もうと思っていたオースター。新潮文庫での出版順に読もうかと思ったけれど、なんとなくこれを手に取ってみた。
 救いがない。ぶつりと切られるようなラストは、それでもこれが一番ふさわしい結末なのかもしれないと思わせられた。
 狂気がより大きい狂気に絡め取られた、そんな物語。読み終わったときしばらくぼんやりと天井を眺めていた。