つれづれ

　突然事務所のエアコンが全部止められてしまった。これまでも、半分だけ動かしたり設定温度を高くしたりはしていたけれど、こんなのは初めてだ。どうやら電力会社との契約があるようで、消費電力量が一定時間内にある量を超えそうならアラームが鳴るようになっているらしい。午前中というのもあって、事務所内には営業さんもたくさん残っている。蒸し暑くて、うちわ片手に仕事をしていた。窓を開けても風が入ってこないので室温は上がる一方。頭はぼんやりしてしまう。電気代の節約をしてもこういうところで生産効率を落としてしまうのはどうなんだろう。どうにか持ち直して冷房が入ったかと思えば、また夕方にエアコンを全部落とされてしまった。うちわでぱたぱたしながら、ビールがおいしいでしょうね今日は、なんて話を営業のおじさんとしていた。
　会社で汗をかき、帰り道でも汗だくだく。家まで待てずに何故か大回りの寄り道でビールを買ってぐびり。一息ついて見上げた空、思わず、ええ色やなあってつぶやくくらいの夕暮れ。携帯のカメラではとても撮ることのできない色。冬の重たさとはまた違う、深みのあるグラデーション。濁りの無い色。
　いつかもっと打ちのめされるような色に会いたいと思った。ただ立ち尽くすしかできないような。それをすきなひとと見たいと思った。