「あなたたちは自分のどこが好きなのよ。もしかして人権?」
(中略)
「いつまでたっても仮の姿で自分を誤魔化しているだけじゃないの。カッコ悪い。あなたたちは可能性を広げているようで、実は自分の首を締めているのよ。『いつかする』『いつかこんな人になりたい』この論理が破綻しているのは『今の自分は駄目だけど』ってところよ。嫌いな自分が発展したらもっと嫌いな自分になっているのが筋じゃない。足元がぐらついているわよ」

池上永一『レキオス』)