2009-12/13:上橋菜穂子『獣の奏者』探求編・完結編(講談社)

獣の奏者 (3)探求編

獣の奏者 (3)探求編

獣の奏者 (4)完結編

獣の奏者 (4)完結編

あの“降臨の野”での奇跡から十一年後―。ある闘蛇村で突然“牙”の大量死が起こる。大公にその原因を探るよう命じられたエリンは、“牙”の死の真相を探るうちに、歴史の闇に埋もれていた、驚くべき事実に行きあたる。最古の闘蛇村に連綿と伝えられてきた、遠き民の血筋。王祖ジエと闘蛇との思いがけぬつながり。そして、母ソヨンの死に秘められていた思い。自らも母となったエリンは、すべてを知ったとき、母とは別の道を歩みはじめる…。

 もともとは闘蛇編・王獣編の2冊で完結していた物語の続編。王獣・闘蛇をめぐって意図的に隠されていた謎が明らかになっても、とってつけたような不自然な話にはならず、この続編が読めてよかったと思う。小学校高学年くらいから読める本だけれど、大人が読んでも十分に楽しめる良い物語でした。